【初心者PM向け】アジャイル vs ウォーターフォール|違い・メリット・最新トレンドをやさしく解説

目次

はじめに

現在、社内のリスキリング制度を活用してプロダクトマネージャー(PM)を目指しています。
学び始めたばかりのころ、最初に悩んだのが「アジャイル開発とウォーターフォール開発、どちらを選ぶべきか」ということでした。

当時の私は「アジャイル=新しく柔軟」「ウォーターフォール=古くて硬い」というイメージを持っていました。
しかし、研修で両方を体験するとその考えは変わりました。
ウォーターフォールには全体像が見える安心感があり、アジャイルは変化への強さが魅力です。

この経験から学んだのは、「どちらが良いか」ではなく「プロジェクトに合うかどうか」が重要だということです。
この記事では、初心者PMの方に向けて、両手法の違い・メリット・最新トレンドをわかりやすく解説します。

この記事を読むと、以下のポイントが理解できます。

この記事でわかること
  • アジャイル開発とウォーターフォール開発の基本的な違い
  • それぞれの特徴・メリット・デメリット(初心者でも一目でわかる比較表つき)
  • 開発プロセスの進め方と具体的なイメージ
  • 初心者PMがどちらを選ぶべきかの判断基準
  • 2025年最新トレンド(ハイブリッド型や生成AI活用)
たまご

PM初心者だった私自身が、学びの中で「これを知っておけば迷わなかった」と感じたポイントをまとめています。

アジャイルとウォーターフォールの基本

アジャイル開発とは?特徴・メリット・デメリット

アジャイル開発の特徴

「アジャイル(Agile)」は、日本語で「素早い・敏捷な」という意味があります。
1~4週間程度の短い開発サイクル(スプリント)を繰り返しながら、ユーザーに価値を届ける柔軟な手法です。

進め方のポイント
  • 小さな単位で「計画→設計→開発→テスト→リリース」を繰り返す
  • 開発途中でも計画や仕様を見直せる
  • ユーザーのフィードバックをすぐに反映できる

研修でスクラム演習を体験した際、1週間で作った簡単なプロトタイプをすぐにユーザー役へ見せたところ、その場で「ここをもっとこうしてほしい」とフィードバックが得られました。
完璧を目指す前に見せる勇気が大事だと実感しました。

アジャイル開発のメリット

  • 変化への対応力が高い:市場や要件が変わっても、次のスプリントで方向修正できる
  • 早期に動くものを見せられる:初期段階からユーザーの意見を取り入れられる
  • 優先度の高い機能に集中できる:重要度の低い機能を後回しにできる

アジャイル開発のデメリット

  • 全体像が見えにくい:サイクルごとに計画が変わるため、完成形が想像しづらい
  • スケジュール・予算管理が難しい:頻繁な仕様変更で計画が流動的になる
  • コミュニケーション負荷が高い:チーム内での密な情報共有が欠かせない

スプリントごとに優先順位を決め直す作業は思った以上に大変でした。特にPM役としては「どの機能を優先すべきか」を決断する力が試され、柔軟さの裏に大きな責任があると感じました。

ウォーターフォール開発とは?特徴・メリット・デメリット

ウォーターフォール開発の特徴

ウォーターフォール型は、「滝が段階的に流れるように」工程を一方向に進める、従来型の開発手法です。
「要件定義→設計→実装→テスト→リリース」と順序立てて進めるため、全体像を把握しやすく、管理がしやすいのが特徴です。

初めてウォーターフォールの工程表を作成したとき、ガントチャートで全工程が一目で見渡せたのが印象的でした。「今、どこにいるか」が明確なのは初心者にとって大きな安心感でした。ただ、一度決めた仕様を変えるとなると、「最初から見直すのか…」と負担を感じたのも事実です。

ウォーターフォール開発のメリット

  • 計画が立てやすい:最初に詳細計画を決めるため、進捗やコストを管理しやすい
  • 品質を担保しやすい:各工程でレビューやドキュメントを整えるため、精度が高い
  • 大規模開発に向いている:契約範囲や成果物が明確で、複数チームが関わる案件に適している

ウォーターフォール開発のデメリット

  • 仕様変更に弱い:途中で要件が変わると、要件定義からやり直す必要がある
  • 動く成果物が見えるのが遅い:ユーザーが実際に触れるのはリリース直前
  • 発注者側の負担が大きい:初期段階で詳細な仕様書が必要

一目でわかる比較表

初心者PMの方がパッと違いを理解できるように、アジャイル開発とウォーターフォール開発を比較表で整理しました。

項目アジャイル開発ウォーターフォール開発
進め方短いサイクルを繰り返し、都度見直す要件定義から順序立てて一括で進める
柔軟性高い(変化に強い)低い(途中変更が難しい)
品質管理ユーザーフィードバックを反映しながら改善工程ごとにドキュメントで厳密に管理
リスク方向性がぶれやすい変更時の手戻りリスクが大きい
ユーザー確認初期段階から動くものを見せられる完成直前まで動作確認が難しい
向いている案件変化が多い・不確定要素が大きいプロジェクト要件が明確で変更が少ない大規模案件
たまご

初めてこの表をまとめたとき、「どちらもメリットとデメリットが裏表の関係だ」と感じました。「どちらが良いか」ではなく「どちらが今の状況に合うか」が重要だと改めて実感しました。

開発プロセスの流れを図解で理解する

ウォーターフォールの進め方

各工程を順番に完了させてから次に進むため、全体の進捗管理がしやすい反面、途中で仕様変更が入ると大きな手戻りが発生するのが特徴です。

典型的なプロセス

  1. 要件定義:何を作るのかを詳細に決める
  2. 基本設計・詳細設計:要件をもとに設計図を作成
  3. 実装(開発):設計書通りにプログラムを作成
  4. テスト:設計通り動作するかを検証
  5. リリース:最終成果物を納品・公開

研修でウォーターフォール型の演習をしたとき、最初に作ったガントチャートで全体工程が一目で把握できたのは大きな安心感でした。
ただ、一度仕様変更が入り、「最初から設計を見直さないといけない」と気づいたときは、計画通り進める難しさを実感しました。

アジャイルの進め方

小さな単位で動くものを作り、ユーザーからのフィードバックを素早く反映することで、変化の多いプロジェクトにも対応できるのが特徴です。

典型的なプロセス(1スプリントあたり)

  1. 計画(スプリントプランニング):次のサイクルで作る機能を決める
  2. 設計・実装:小さな単位で開発を進める
  3. テスト:動作をすぐに確認
  4. リリース:一部機能でもユーザーに提供
  5. 振り返り(レトロスペクティブ):得られたフィードバックを次のサイクルに反映

スプリント演習では、1週間で作った試作品をユーザー役に触ってもらい、その場で「ここはもっとこうした方がいい」と意見をもらいました。最初から完璧を目指す必要がなく、改善を前提に進めるという考え方は、初心者でも取り組みやすいと感じました。

2つの流れを比較すると?

ウォーターフォールとアジャイルは、進め方が大きく異なります。
ウォーターフォールは一方向に進む計画型、アジャイルは小さく繰り返す改善型というイメージを持つと理解しやすいです。

図解イメージ

ウォーターフォール型:

たまご

工程が一方向に1回だけ流れるのが特徴

アジャイル型:

研修で両方のプロセスを体験して、「全体を最初に決め切るか」「走りながら考えるか」という大きな違いを実感しました。
ウォーターフォールは全体像がはっきりして安心感があり、アジャイルはユーザーの声をすぐに反映できる柔軟さが魅力です。

初心者PMが迷ったときの選び方

状況別のおすすめ手法

アジャイルとウォーターフォール、どちらを選ぶべきかはプロジェクトの性質によって変わります。
初心者PMでも判断しやすいように、状況別におすすめの手法をまとめました。

ウォーターフォール開発が向いているケース

  • 要件が明確で変更が少ない場合
     例:官公庁システム、基幹システム、製造業の管理システムなど
  • 納期や予算が厳密に決まっている場合
     詳細計画が最初に決まるため、スケジュール管理がしやすい
  • 品質や安全性が最優先の場合
     医療・金融など、厳格なレビューやドキュメントが必要な案件

ウォーターフォール演習では、最初に作成した仕様書に沿って進める安心感がありました。特に品質重視の案件では、「計画通りに正確に進めることが何より重要」だと実感しました。

アジャイル開発が向いているケース

  • 市場やユーザー要件が変わりやすい場合
     例:スマホアプリ、ECサイト、新規サービスなど
  • 短期間でリリースし、早期フィードバックを得たい場合
     動くものを小さく作り、すぐに改善できる
  • 新しいアイデアを検証したい場合
     小さな仮説検証を繰り返すことで、失敗コストを抑えられる

アジャイル演習では、1週間ごとに改善点を反映できたことで、「最初から完璧を目指さなくていい」という気楽さを感じました。反面、毎回「次に何を優先するか」を決めるのは難しく、PMとしての判断力が求められると痛感しました。

2025年最新トレンド:ハイブリッド型とAI活用

2025年時点では、「アジャイルだけ」「ウォーターフォールだけ」という単独利用ではなく、両手法を組み合わせる動きが主流になりつつあります。

トレンド1:ハイブリッド型(アジャイル×ウォーターフォール)の活用

  • 基盤システムはウォーターフォール、UI/UX改善はアジャイルという使い分けが増加
  • 金融・大企業のサービス開発で特に採用例が多く、品質を担保しつつ改善スピードを上げるのが狙いです。

トレンド2:PMBOK第7版でのアジャイル思考推奨

  • プロジェクトマネジメント標準(PMBOK第7版)では、「価値提供を優先し、柔軟に手法を選ぶ」という考え方が強調されています。
  • 初心者PMも、スクラム・スプリント・レトロスペクティブなどアジャイル関連用語の理解は必須スキルになりつつあります。

トレンド3:生成AIとの組み合わせ

  • ChatGPTやGitHub Copilotなど、生成AIを活用した要件整理・テスト自動化が一般化
  • 特にアジャイルでは、スプリントごとの仕様書作成やテストケース生成にAIが使われ、開発スピードが向上しています。

まとめ|まずは小さく試す勇気を

アジャイル開発とウォーターフォール開発は、それぞれ得意分野が異なります。
どちらが優れているかではなく、プロジェクトに合うかどうかを見極めることがPMの役割です。

初心者PMのうちは「アジャイル=新しい」「ウォーターフォール=古い」と思いがちですが、実際にはどちらにも強みと弱みがあり、状況に応じた選択が必要です。
特に2025年以降は、ハイブリッド型や生成AI活用など、手法を柔軟に組み合わせる時代に入っています。

最後に、これからPMを目指す方へひとこと。
大事なのは完璧な手法選びではなく、「まず試して改善する」という姿勢です。
小さなプロジェクトで経験を積むことで、自然と判断力もついていきます。失敗を恐れず、一歩踏み出してみましょう。

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