はじめに|PM挑戦中の私が痛感した「ビジネススキル」の大切さ
現在、社内のリスキリング制度を活用してプロダクトマネージャー(PM)に挑戦中です。
学び始めた頃に特に悩んだのが「ビジネススキルって何から学べばいいのか」ということでした。
プロダクト開発の現場では、アイデアがあっても「市場分析」や「競合調査」ができなければ、ユーザーに求められる製品を作ることはできません。
私自身、最初はデータ分析やKPI設計が苦手で、ただの思いつきで企画を提案してしまい、説得力がなく困った経験があります。
しかし、ビジネススキルを意識して学び始めてからは、「なぜこのプロダクトを作るのか」を自信をもって説明できるようになり、チームとの議論もスムーズになりました。
この記事では、初心者PMがまず身につけるべきビジネススキルと、実務で役立つ学習方法をまとめました。
未経験からPMを目指す方に向けて、「何から学べば良いか」がはっきりわかるようにお伝えします。
- PMにとってビジネススキルが重要な理由
- 初心者が最初に身につけるべき6つのビジネススキル
- 効率的に学べるおすすめの学習方法5選
- 基礎〜応用までの成長ステップがわかるスキルマップ
なぜPMにビジネススキルが必要なのか?初心者が知るべき理由
プロダクトマネージャー(PM)は、よく「ビジネスと開発の橋渡し役」と表現されます。
しかし、なぜPMにビジネススキルが必要なのでしょうか?
初心者の方が特に理解しておくべき理由を、3つに分けて解説します。
① 「作りたいもの」ではなく「売れるもの」を作るため
PMの役割は、ただ新しいアイデアを形にすることではありません。
「市場で求められるものを作る」ことこそがPMの使命です。
そのためには、市場規模やユーザーニーズ、競合の状況を冷静に分析し、収益が見込めるかを判断する力が欠かせません。
最初は「自分が欲しい機能だから作ろう」と考えがちでしたが、実際に市場調査をすると「誰もお金を払ってまで使わない」という事実に直面した経験があります。

ビジネススキルは、思いつきではなく「根拠を持った意思決定」をするための土台です。
② チームや経営陣を説得するため
PMは、開発チームだけでなく営業やマーケティング、さらには経営陣とも連携します。
その際・・・
- なぜこのプロダクトを作るべきか
- どんなビジネス価値があるのか
を説明できなければ、誰も協力してくれません。
ビジネススキルを持つことで、市場データやKPIを示しながら論理的に話せるようになり、企画が通りやすくなるのです。
③ プロダクトの継続的な成長を支えるため
プロダクトはリリースして終わりではありません。
「ユーザーを増やし、収益を伸ばす」という成長フェーズでも、ビジネススキルは重要です。
例えば、
- ユーザー行動データを分析し、改善施策を打つ
- 適切な価格設定や収益モデルを検討する
- マーケティング施策でユーザー獲得を促進する
これらはすべて、PMがビジネス視点を持っていなければ進められません。
初心者PMにとってビジネススキルは「最初は難しそう」に感じるかもしれませんが、実は少しずつ学べば確実に身につくものです。
次の章では、具体的にどんなスキルから学べば良いのかを紹介します。
初心者PMがまず身につけたい6つのビジネススキル
PMとして成長する第一歩は、必要なスキルを理解し、優先順位をつけて学ぶことです。
ここでは、初心者が特に意識すべき6つのスキルを解説します。
市場調査・分析(Market Research & Analysis)
市場調査は、誰のどんな課題を解決するプロダクトを作るのか」を決める出発点です。
市場規模、トレンド、ユーザーニーズを把握できなければ、開発後に「誰も使わない」プロダクトになりかねません。
- 最初は大きな調査ではなく、小さなヒアリングから始める
例えば、ターゲットユーザー5〜10人にインタビューするだけでも、有益な気づきが得られます。 - 数字に強くなる必要はない
最初は「どのくらいの人が困っているのか」を感覚でも良いので把握しましょう。
競合分析(Competitor Analysis)
「なぜ自社プロダクトを選んでもらえるのか」を説明するために競合分析が必要です。
競合製品の強み・弱みを知ることで、独自の価値提案(差別化ポイント)を見つけられます。
- まずは競合製品を実際に使ってみる
使ってみることで、レビューや公式サイトだけではわからない「良い点・不便な点」が見つかります。 - 比較表を作る習慣をつける
価格、機能、ターゲット層などを簡単な表にすると整理しやすいです。
KPI設計とデータ分析(KPI Design & Data Analysis)
PMは感覚ではなく、「数字で成果を語れる人」でなければなりません。
KPI(重要指標)を設定し、データで改善点を特定できるようになると、説得力のある意思決定ができます。
- 最初は1つだけKPIを決める
例:「ユーザー登録数」「アプリの継続率」など、1つに絞ると分析がシンプルになります。 - 完璧な分析を目指さない
データを集めて「思ったより使われていない」と気づくだけでも大きな進歩です。
ビジネスモデル設計(収益モデル設計)
どんなに良いプロダクトでも、収益がなければ長続きしません。
PMは「どうやってお金を稼ぐのか」を考える必要があります。
- 既存のモデルを真似るところから始める
サブスクリプション、広告モデル、単発課金など、まずは一般的な収益モデルを調べて参考にしましょう。 - 価格設定の理由を説明できるようにする
「なぜこの価格なのか」を一言で言えると、説得力が増します。
戦略立案力(Strategic Planning)
PMは「今月何を作るか」だけでなく、「半年後・1年後にどう成長させるか」を考える役割です。
チームのリソース配分や開発優先度も、戦略がなければ決められません。
- まずは「短期ゴール」と「長期ゴール」を分ける
例:「1カ月後はベータ版公開、半年後は有料プラン開始」など、時間軸を意識するだけでも戦略的になります。 - 難しい言葉でまとめなくていい
付箋やメモレベルで「どの課題をいつ解決するか」を書き出す習慣をつけましょう。
マーケティング知識(Marketing Knowledge)
「作るだけでは誰にも届かない」からマーケティング知識が必要になります。
PMは、ターゲット顧客に価値を届けるためのマーケティング戦略にも関与します。
- SNSや広告を自分でも試してみる
小さく広告を出したり、SNS投稿をしてみると、どんなメッセージが反応を得やすいか実感できます。 - ユーザーの声を集めることが第一歩
「どこで知ったか」「なぜ使っているか」をユーザーに聞くだけでも、次の施策が見えてきます。
初心者におすすめの学習方法5選【すぐ実践できる】
プロダクトマネージャーのビジネススキルは、机上の勉強だけでなく、実践やコミュニティでの学びが大切です。
ここでは、初心者PMにおすすめの学習方法を5つ紹介します。
オンライン講座で効率的に基礎を学ぶ
動画やスライドで体系的に学べるため、短期間で基礎を固められます。
実践課題付きの講座なら、すぐにアウトプットできるのも魅力です。
書籍でじっくり基礎から応用まで学ぶ
書籍は、プロダクトマネジメントの全体像や考え方を体系的に学べます。
特に、著名PMの経験談は初心者にとって大きな学びになります。
- 初めてなら『INSPIRED(熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント)』がおすすめ
- 読むだけでなく、1章ごとに「自分ならどうするか」をメモすると理解が深まります


勉強会・セミナーに参加して現場の声を聞く
現役PMの話を直接聞くことで、最新トレンドや実務のリアルを知ることができます
。質疑応答で疑問を解決できるのも大きなメリットです。
コミュニティに参加して情報交換する
同じ志を持つPM仲間と交流することで、モチベーション維持や悩み相談ができます。
「他の人がどんな勉強をしているか」も参考になります。
- SlackやDiscordのPM向けコミュニティに参加
- 質問する勇気を持つ(聞くだけでなく、積極的に投稿すると交流が広がる)
小さなプロジェクトで実践する
実際に手を動かすことで、座学ではわからない「難しさ」と「面白さ」を体感できます。
小さく始めれば、失敗しても大きなリスクはありません。
- 簡単なWebサービスやアプリを企画してみる
- 友人同士でミニハッカソンを開く、またはインターンに参加する
【保存版】PMスキルマップ|基礎〜応用までの成長ステップ
プロダクトマネージャーとして成長するには、いきなりすべてのスキルを完璧に身につける必要はありません。
重要なのは、「基礎 → 中級 → 応用」とステップを踏んで段階的に学ぶことです。
ここでは、初心者PMが成長する際の学習ステップを3段階に分けて解説します。
基礎レベル(レベル1)|PMの役割と開発プロセスを理解する
- PMの基本概念:プロダクトマネージャーの役割・目的
- 開発の流れ:アイデア創出からリリースまでのプロセス
- 開発手法の基礎:リーンスタートアップやアジャイルの考え方
最初は「なぜPMが必要なのか」を理解することが重要です。
用語やフレームワークを一気に覚えようとせず、「PMは何をする人なのか」をざっくり理解することから始めましょう。
5-2. 中級レベル(レベル2)|ドメイン知識と技術理解を深める
- 業界知識:自分が関わる業界(IT、Webサービスなど)の基本動向
- 技術理解:Webサービスやアプリの仕組み、APIやデータベースの基礎
- 開発チームとのコミュニケーション力:専門用語を理解し、会話ができるレベルを目指す
PMはエンジニアではありませんが、技術を知らないと開発チームとの会話が噛み合いません。
初心者はまず、「サービスがどのように動いているか」を簡単に説明できるレベルを目指しましょう。
5-3. 応用レベル(レベル3)|実践的なPMスキルを統合する
- 市場調査・競合分析を自分で実践
- ユーザーインタビューを行い、課題を深掘りする
- 要件定義・仕様書作成で開発チームへ明確に指示
- KPI設定・データ分析で改善サイクルを回す
応用レベルでは、学んだスキルを**「実際のプロダクトを動かす」段階に引き上げます。
インターンや副業、小さな自作プロジェクトでも良いので、「実際に手を動かして失敗する経験」**が大きな学びになります。
スキルマップまとめ
学習段階 | 習得する主な内容 | 初心者が意識すべきポイント |
---|---|---|
基礎レベル(レベル1) PMの基本を理解 | ・PMの役割・目的 ・アイデア創出〜リリースまでの開発プロセス ・リーンスタートアップ、アジャイルの基礎 | 「PMは何をする人なのか」をざっくり理解する 専門用語を無理に暗記しない |
中級レベル(レベル2) ドメイン知識・技術理解 | ・業界知識(IT、Webサービスの基本動向) ・サービスの仕組み(API、DBなどの基礎) ・開発チームとの会話力 | 「サービスがどう動くか」を説明できるレベルを目指す エンジニアに質問できる勇気を持つ |
応用レベル(レベル3) 実践的PMスキル | ・市場調査・競合分析 ・ユーザーインタビューで課題深掘り ・要件定義書や仕様書の作成 ・KPI設定とデータ分析で改善 | 小さなプロジェクトでも良いので手を動かす 失敗を学びに変える意識を持つ |
6. まとめ|一歩ずつ学べば必ずPMとして成長できる
プロダクトマネージャーは、ビジネス・技術・ユーザー体験すべてを考慮する重要な役割です。
初心者のうちは「どこから学べばいいのか」と悩むかもしれませんが、基礎から段階的に学べば、必ず成長できます。
- まずは基礎レベルで「PMは何をする人なのか」を理解する
- 次に市場調査やKPI設計など、1つずつスキルを実践してみる
- 失敗を恐れず、小さなプロジェクトでも良いので経験を積む
私自身も、最初は市場分析が苦手で数字を見るのが怖かったですが、「1つのKPIを追う」「小さく検証する」ことを繰り返すうちに自信がつきました。
未経験でも、一歩ずつスキルを積み上げれば、PMとして大きく成長できます。
今日学んだことを、まずは1つ実践してみましょう!
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