IT業界の中核を担う仕事と必要なスキルを徹底解説
こんにちは。この記事を書いているのは、現在社内のリスキリング制度を活用してプロダクトマネージャー(PM)を目指している社会人です。もともと技術職として働いてきましたが、業務を重ねる中で「より本質的に価値を生み出せる仕事がしたい」と考えるようになり、PMという職種に関心を持つようになりました。
この記事では、プロダクトマネージャーという職種の概要、求められるスキル、業務プロセス、そして未経験からPMになるためのステップまで、初心者にも分かりやすく解説します。特に、これからキャリアを築いていきたい学生や若手社会人にとって有益な内容を意識しています。
プロダクトマネージャーとはどんな仕事か?
プロダクトマネージャーは、企業が提供する製品やサービス(プロダクト)の企画、開発、運用、改善までの全工程を統括し、その成果に責任を持つポジションです。ユーザーの課題を的確に捉え、それに応える最適なプロダクトをどのように作るかを決定し、チームを導いていきます。
例えば、スマートフォン向けのアプリを開発する場合、PMは「誰に」「どんな価値を」「どのように届けるか」を定義し、エンジニアとは技術面を調整し、デザイナーとはUI/UXを設計し、リリースまでの道筋を明確にします。

プロダクトマネージャーに求められるスキル
PMとして活躍するには、以下のような多岐にわたるスキルが必要です:
- コミュニケーション力:多様な立場のメンバーと円滑に連携できる力
- 課題解決力:複雑な問題から本質を見極め、現実的な解決策を導く力
- 創造力・企画力:ユーザーの隠れたニーズに応える発想力
- データ分析力:データを基に改善点を特定する力
- プロジェクト管理力:スケジュール、リソース、進捗を適切に管理する能力
- ユーザー視点の思考:常に「ユーザーにとっての価値」を第一に考える姿勢
- チーム調整力:多職種をまとめ、調整し、円滑にプロジェクトを進める能力
- 意思決定力:不確実な状況でも方向性を明確に定める判断力

実例:意思決定の現場から
私が担当したある社内プロダクトでは、社内システムとの連携を前提に進めていましたが、法的な制約や社内規則により、そのままの開発方針では実行が困難になりました。
その結果、プロダクトの開発が停滞し、ユーザーへの価値提供が遅れるリスクが高まりました。私はチームと話し合い、システム連携を一時棚上げし、代わりにユーザー業務を支援できる別の機能を優先するという判断を下しました。この意思決定により、プロダクトは予定より早く提供でき、結果的にユーザーからの評価も高まりました。
プロダクトマネージャーの業務プロセス
PMの業務は、一般的に以下のプロセスで構成されます:
- 市場・ユーザー調査:競合やユーザーインタビューを通して課題を発見
- 企画・戦略策定:課題に対する解決策を立案し、方向性を定める
- 要件定義・設計:開発に必要な要件を整理し、優先順位を設定
- 開発管理:スプリント計画や進捗確認、課題の管理を行う
- リリース準備・マーケティング:社内外への告知、利用促進施策の展開
- 効果検証・改善:KPIやユーザーの声を基に次の改善策を導き出す

PMが連携する職種とその役割
プロダクトマネージャーは単独で業務を遂行するわけではなく、複数の専門職と連携してプロダクトを形にします:
- エンジニア:技術的実装を担当。PMは背景や目的も共有し理解を深める
- デザイナー:UI/UXの設計を担当。ユーザー体験の最適化を図る
- マーケティング担当:市場への訴求戦略を立案し、実行する
- カスタマーサクセス・営業:顧客やユーザーの声を集め、改善に活かす
PMはそれぞれの職種をつなぎ、全体が同じ目的に向かって進むよう橋渡し役を果たします。

未経験からPMを目指すには?
未経験からでもPMになることは十分可能です。以下のアプローチが有効です:
- 日常的な観察と分析:使っているアプリの改善案を考える習慣をつける
- 書籍・オンライン講座で学ぶ:『INSPIRED』や『Lean Product and Lean Analytics』などで知識を得る
- ノーコードツールを活用する:自身のアイデアを簡単なアプリとして形にしてみる
- イベント・勉強会に参加する:現役PMの経験談や考え方に触れる
- 副業や社内プロジェクトを活用する:小さな実績を積みながら経験を広げる
まとめ:プロダクトを通じて価値を届ける仕事
プロダクトマネージャーは、「なぜ作るのか」「誰にどんな価値を届けるのか」という根本的な問いに向き合い、ユーザーとチームの間をつなぎながら答えを形にしていく仕事です。
その過程では幅広い知識とスキル、そして判断力が必要ですが、それだけに大きな達成感が得られる職業でもあります。
自分の考えを社会に形として反映させたい、プロダクトを通じて人々の生活を良くしたいという思いがある方にとって、PMは非常に魅力的でやりがいのあるキャリアの一つとなるでしょう。
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