初心者PMにおすすめの本11選|実務に役立つプロダクトマネジメント書籍ガイド

目次

はじめに|読書でPMの世界を広げた私の体験

現在、社内のリスキリング制度を活用してプロダクトマネージャー(PM)に挑戦中です。
PMを学び始めた頃、特に悩んだのが「何から勉強すればよいのか」ということでした。
ネット記事やセミナーだけでは全体像をつかみにくく、試行錯誤の連続でした。

そんなとき大きな助けになったのが書籍です。
書籍は著者が現場で得た知見を体系立ててまとめてくれており、基礎知識から実践ノウハウ、キャリア形成まで一気に学べます。私自身も、本を通じて「なぜPMが重要なのか」「どのようにチームを動かすのか」という視点を身につけることができました。

この記事では、これからPMを目指す方や駆け出しのPMが読むべき厳選書籍をまとめました。特に「まずどの本を選べばよいのか迷っている初心者」に役立つ内容です。

この記事でわかること
  • PM初心者が読むべきおすすめ書籍とその理由
  • 「役割理解」「実務スキル」「キャリア形成」など目的別に選ぶポイント
  • 書籍を活用して学びを実務につなげるコツ

初心者PMにおすすめの日本語書籍7選

1. INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント

(マーティ・ケイガン著, 日本語版2019年)
特徴:シリコンバレー発のPM手法を体系的にまとめた「PMバイブル」。
おすすめポイント:ロードマップ策定やチーム作りなど、プロダクトづくりの全体像がつかめます。
こんな人に向いている:PMの基本を一冊で押さえたい方。

初めて読んだとき「PMはアイデアを考える人」ではなく「価値を届ける責任者」だと強く感じました。何度も読み返すたびに新しい気づきがあります。


2. プロダクトマネージャーのしごと 第2版 ―1日目から使える実践ガイド

(マット・レメイ著, 日本語版2023年)
特徴:日々の業務の進め方を現場目線で解説した実践書。
おすすめポイント:コミュニケーション、組織調整、リサーチ、実行という「4つのコアスキル」が具体例とともに学べます。
こんな人に向いている:すでにPM業務が始まっていて「どう進めればいいか」を知りたい方。

初めてチームで要件整理をしたとき、この本で学んだ「相手の言葉をそのままメモする」テクニックを試しました。驚くほど会話がスムーズになりました。


3. プロダクトマネージャーになりたい人のための本

(松永拓也ほか著, 2023年)
特徴:PMキャリアパスを中心にまとめた「転職&キャリア入門書」。
おすすめポイント:役割理解、必要スキル、転職活動まで一冊でカバー。
こんな人に向いている:これからPMを目指す未経験者、またはキャリアを考え始めた現役PM。

私はPM転向時にこの本を読んで「今のスキルがPMでどう活かせるか」を整理できました。
キャリアの棚卸しに最適です。


4. ゼロから始めるプロダクトマネジメント

(丹野瑞紀著, 2020年)
特徴:中学生が主人公の物語形式で学べる入門書。
おすすめポイント:企画~改善まで一連の流れがストーリーで理解できます。
こんな人に向いている:活字が苦手でも、ストーリーで楽しく学びたい方。

最初は「中学生向け?」と思いましたが、PM初心者のつまずきポイントがリアルに描かれていて共感しかありませんでした。


5. プロダクトマネジメントの教科書 PMの仕事を極める

(ジャッキー・ババロほか著, 日本語版2024年)
特徴:PMに必要なスキルやフレームワークを体系的に網羅。
おすすめポイント:世界のPMリーダーへのインタビューが豊富で、実務イメージがつかみやすいです。
こんな人に向いている:PMを体系的に学びたい初心者~中級者。

インタビューで紹介される「失敗談」が特に参考になりました。
成功体験だけでなく、失敗から学ぶ視点が得られます。


6. プロダクトマネジメントのすべて

(及川卓也ほか著, 2021年)
特徴:日本とシリコンバレーの知見をまとめた総合教科書。
おすすめポイント:マーケティング、UX、組織運営など幅広いテーマを平易に解説。
こんな人に向いている:チーム全体で共通理解を持ちたいPMやリーダー。

私はこの本を同僚に勧めました。「同じ本を読んで話す」だけで、会議での議論がスムーズになりました。


7. プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける

(メリッサ・ペリ著, 日本語版2018年)
特徴:「作ること」自体が目的化する罠=ビルドトラップを回避する考え方を解説。
おすすめポイント:成果物ではなく「解決すべき課題」にフォーカスする重要性が学べます。
こんな人に向いている:タスク管理ばかりに追われてしまいがちなPM。

私も最初は「リリースすること」がゴールだと思っていました。
この本を読んで「顧客にとって意味があるか」を考えるようになり、視点が大きく変わりました。


初心者PMにおすすめの英語書籍4選

1. Product Management in Practice

(Matt LeMay著, 2018年)
特徴:実務志向のPM向けに、日々の業務進行のコツを事例ベースで紹介した一冊。
おすすめポイント:日本語版『プロダクトマネージャーのしごと』の原著。より詳しい現場エピソードが読めます。
こんな人に向いている:英語に抵抗がなく、現場感覚を深めたい方。

日本語版を読んだ後に原著も手に取りました。英語版ではより細かいニュアンスが伝わり、「なるほど、こういう言い回しを現場で使うのか」と勉強になりました。


2. Cracking the PM Interview

(Jackie Bavaro, Gayle Laakmann McDowell著, 2013年)
特徴:PM職への転職や就職を目指す人向けの面接対策本。
おすすめポイント:面接質問例だけでなく、プロダクト設計や戦略思考のフレームワークも学べます。
こんな人に向いている:海外でPM職を目指す人、面接対策を英語で学びたい人。

面接だけでなく「どのように自分の経験をPM視点で語るか」が参考になりました。自分のキャリアを整理する練習にも役立ちます。


3. The Lean Product Playbook

(Dan Olsen著, 2015年)
特徴:MVP(最小実用製品)の開発やユーザーテストを段階的に進める方法を解説。
おすすめポイント:理論と実践のバランスが良く、すぐ試せるチェックリスト付き。
こんな人に向いている:新規事業やスタートアップのPM、リーン開発を実務で使いたい人。

リーン開発を初めて実践したとき、この本のステップを参考にしました。特に「仮説を一つに絞る」アドバイスは大きな失敗を防いでくれました。


4. Sprint: How to Solve Big Problems and Test New Ideas in Just Five Days

(Jake Knappほか著, 2016年)
特徴:Google Ventures発のデザインスプリント手法を5日間で実践するガイド。
おすすめポイント:短期間でプロトタイプ作成~ユーザーテストまで行う具体的なフレームワークが学べます。
こんな人に向いている:短期間で検証サイクルを回したいチームやPM。

初めてワークショップ形式でアイデア検証をしたとき、この本を参考にしました。時間が限られているときほど役立つ一冊です。

初心者PMにおすすめの書籍一覧(11冊まとめ)

No書籍名著者特徴・学べることおすすめする人
1INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメントマーティ・ケイガンPMバイブル。ロードマップやチーム作りなど全体像がつかめるPMの基本を網羅的に学びたい人
2プロダクトマネージャーのしごと 第2版マット・レメイ日々の業務の進め方、4つのコアスキルを学べる実践書実務での進め方を学びたい人
3プロダクトマネージャーになりたい人のための本松永拓也ほかキャリア構築や転職活動までカバーPMを目指す未経験者、キャリア検討中の人
4ゼロから始めるプロダクトマネジメント丹野瑞紀物語形式で企画~改善までの流れを理解できるストーリーで学びたい初心者
5プロダクトマネジメントの教科書 PMの仕事を極めるジャッキー・ババロほか世界のPMリーダーへのインタビューやフレームワークが豊富PMを体系的に学びたい人
6プロダクトマネジメントのすべて及川卓也ほかマーケ、UX、組織運営など幅広い知見を平易に解説チームで共通理解を持ちたいPM
7プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届けるメリッサ・ペリ成果物ではなく課題解決にフォーカスする考え方が学べるタスク偏重から抜け出したいPM
8Product Management in PracticeMatt LeMay実務志向。現場事例が豊富英語で現場感覚を学びたい人
9Cracking the PM InterviewJackie Bavaro, Gayle McDowellPM職の面接対策や戦略思考を学べる海外PM職を目指す人、転職希望者
10The Lean Product PlaybookDan OlsenMVP開発やユーザーテストを段階的に学べる新規事業・リーン開発に挑戦するPM
11Sprint: Solve Big Problems in Just Five DaysJake Knappほかデザインスプリントで短期間検証する手法短期間でアイデア検証を進めたいチーム

初心者PMが本を選ぶときの3つのポイント

PM関連の本はたくさんありますが、初心者が最初から専門書を読み込むと挫折しやすいものです。
私自身も最初は分厚い書籍に手を出して、途中で投げ出してしまった経験があります。
そこで、以下の3つのポイントを意識して選ぶと失敗が少ないです。


1. 学びたいテーマを決める

PMに必要なスキルは「役割理解」「実務スキル」「キャリア形成」など幅広いです。
例えば、

  • PMの全体像を理解したい → 『INSPIRED』『プロダクトマネジメントのすべて』
  • 現場で役立つスキルを身につけたい → 『プロダクトマネージャーのしごと』『The Lean Product Playbook』
  • キャリア構築や転職を考えている → 『プロダクトマネージャーになりたい人のための本』『Cracking the PM Interview』

目的があいまいだと「結局どの部分を実務で使えばいいのか」がわからなくなります。今の自分に必要なテーマを決めてから本を選ぶと効率的です。


2. 一冊で完璧を目指さない

初心者PMの学習では「1冊で全てを理解しよう」と思わない方が良いです。
本ごとに得意分野が異なるので、複数冊を組み合わせて読むのがおすすめです。

例:私の学び方

  • まず『ゼロから始めるプロダクトマネジメント』で流れをつかむ
  • 次に『INSPIRED』で体系的に学ぶ
  • 実務が始まってから『プロダクトマネージャーのしごと』で具体的な進め方を習得

最初から分厚い本を読もうとして挫折した経験があるので、段階的に読む方法をおすすめします。


3. 「実務で試せるか」を基準に選ぶ

PMは知識だけでなく実践が重要です。読む前に「この内容を明日から試せるか?」を考えると、アウトプットにつながる学び方ができます。

  • チェックリストやワークシートが付いている本は実践しやすい
  • 成功事例だけでなく失敗談が紹介されている本も参考になる

私の場合、『The Lean Product Playbook』の「仮説を一つに絞る」ステップを実践したことで、開発の無駄が大幅に減りました。本は「実験ノート」だと思うと活用しやすいです。


まとめ|まずは1冊読んで、実務で試してみよう

初心者PMにとって、本は知識だけでなく「思考の軸」を作る強力なツールです。
今回紹介した書籍はどれも実務やキャリア形成に役立つ内容ばかりですが、最初から完璧を目指す必要はありません。まずは1冊、自分が「今必要だ」と感じた本を選び、読んだ中の1つでも実務で試してみることが大切です。

PMの学びは、知識をインプットして終わりではなく、実際のプロダクトで活かしてこそ意味があります。本を通じて得た気づきを一歩ずつ行動に移していけば、必ずPMとしての成長につながるはずです。

あなたも今日から、1冊目を手に取ってみませんか?

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