初心者プロダクトマネージャーに必要なビジネススキル

スキルとキャリア

こんにちは。この記事を書いている私は、現在社内リスキリング制度を活用してプロダクトマネージャー(PM)を目指している社会人です。

もともと技術職として長年開発業務に従事していましたが、次第に「もっと本質的に価値を生み出せる仕事がしたい」と感じるようになり、プロダクト全体を俯瞰して推進するPMの役割に強く関心を抱くようになりました。

とはいえ、PMの業務は未知の連続でした。実際にチーム内で小規模な改善プロジェクトを任された際、関係者との調整や要件定義の曖昧さに苦しみ、結果としてリリースが遅れてしまったという苦い経験もあります。

しかしその一方で、ユーザーインタビューを通じて得た気づきを基に提案した改善策が採用され、「この機能、すごく使いやすくなった」とフィードバックをいただけた時の喜びは、今でも私の原動力になっています。

この記事では、私のようにPMを目指して学び始めた方や、初心者として現場で奮闘している方に向けて、まず習得すべきビジネススキルを、実体験を交えながら丁寧に解説していきます。


はじめに

プロダクトマネージャー(PM)は、開発チーム・デザイナー・マーケター・営業など、社内の多様な職種と連携しながらプロダクトを成功に導くキーパーソンです。その中でも特に「ビジネススキル」は、PMがプロダクトの価値を最大化し、意思決定をリードしていくために欠かせません。

この記事では、業界を問わず通用する代表的な6つのビジネススキルと、それらの重要性・習得法を紹介します。また、初心者向けのスキル習得ステップも併せてご紹介しますので、これからPMを目指す方やキャリアを一歩進めたい方の参考になれば幸いです。


主なビジネススキルとその習得方法

1. 市場調査・分析力

なぜ必要か

市場調査は、ユーザーがどんな課題を抱え、どのようなニーズを持っているのかを把握する起点です。私が初めて担当した機能改善プロジェクトでは、社内の意見だけを頼りに仕様を決めた結果、リリース後の利用率が伸びず、最終的には数ヶ月でその機能が廃止されてしまいました。

この失敗を機に、ユーザーアンケートやレビュー分析、競合プロダクトの調査などを積極的に行うようになりました。定量・定性の両面から市場を理解することが、PMとしての判断力を大きく支えてくれます。

どう学ぶか
  • SNSやレビューサイトからユーザーの生の声を拾う
  • GoogleトレンドやStatistaで業界の変化を調査する
  • UdemyやYouTubeの市場調査講座で基礎を習得する

2. 競合分析

なぜ必要か

かつて、競合がある新機能をリリースしたと聞き、焦って同様の開発を進めたことがありました。しかしその後の調査で、その機能は市場ではあまり評価されていなかったことが分かり、貴重なリソースを無駄にしたという後悔が残りました。

競合を冷静に分析することで、自社の強みや差別化ポイントが明確になり、不要な模倣を避けて戦略的に動くことができます。

どう学ぶか
  • SimilarWebやAppAnnieで競合のトラフィックを分析
  • SWOT分析で自社との比較を可視化
  • 競合プロダクトを実際に使ってUXを体感する

3. KPI設計とデータ分析

なぜ必要か

PMなりたての頃、私は「使いやすさ」や「感覚」でプロダクト改善を進めていました。しかし上司から「成果はどこに現れてるの?」と問われて答えに詰まり、定量的な評価の重要性を痛感しました。

KPIを明確に設定し、データをもとに施策を評価・改善していくことで、チーム内の納得感や成果の再現性が大きく向上します。

どう学ぶか
  • Google AnalyticsやMixpanelを活用してデータ分析
  • KPI設計の基本(SMART、AARRRなど)を学ぶ
  • 小規模施策でもKPIを設定し、振り返りを習慣化する

4. ビジネスモデル設計

なぜ必要か

ある日、上司から「この機能は会社の利益にどう貢献するのか?」と問われ、答えられなかったことがあります。それまで私は「ユーザーのため」という視点ばかりで、収益構造に意識が向いていなかったのです。

PMは、プロダクトがどうやって利益を生み出し、持続可能性を維持するかを理解・設計する必要があります。

どう学ぶか
  • noteやSpotifyなど、他社事例のビジネスモデルを分解して分析
  • 書籍『ビジネスモデル・ジェネレーション』などで型を学ぶ
  • 自分で簡単なサービスを設計し、収益モデルを構築してみる

5. 戦略立案力

なぜ必要か

日々のタスクに追われていたある時、チームメンバーから「今やっている作業は、何を目指しているんですか?」と聞かれ、言葉に詰まりました。ビジョンや戦略を描かず、目の前の仕事をこなすだけではPMは務まりません。

戦略を明確に描くことで、チームの方向性が揃い、成果に一貫性が生まれます。

どう学ぶか
  • OKRやプロダクトロードマップのフレームワークを学ぶ
  • リーンキャンバス、3C分析などで視点を整理
  • 小さな施策でもゴール・手段・期待効果をセットで考える癖をつける

6. マーケティング知識

なぜ必要か

せっかく開発した新機能が、リリース後まったく使われなかった経験があります。理由は「届け方」が弱かったから。PMは「作る」だけでなく「伝える」責任も担います。

マーケティングの基本を理解することで、ユーザーとの接点を最適化し、プロダクトの価値を最大限に引き出すことが可能です。

どう学ぶか
  • 書籍『ドリルを売るには穴を売れ』などでユーザー視点を学ぶ
  • LP(ランディングページ)や広告コピーを分析して構造を理解する
  • SNSやメルマガで仮説検証を行い、反応を数値で測る経験を積む

初心者向けスキルマップ(ステップアップガイド)

レベル習得内容学びのステップ例
レベル1(基礎)PMの役割・基本用語の理解書籍やYouTube動画で知識を吸収。PMの業務全体像をつかむ
レベル2(実践準備)KPI・競合分析・仮説検証小規模な改善活動を通して、仮説→検証→改善の流れを経験する
レベル3(応用)戦略立案・収益設計・関係者調整実プロダクトを題材にワークショップ参加や副業での実務経験を積む

おわりに

PMとして成長するには、技術やデザインの知識だけではなく、広い視野を持ったビジネススキルが必要です。

この記事で紹介した6つのスキルは、私自身が失敗と実践を通して学んできたものばかりです。今すぐすべてを身につける必要はありません。まずは一歩を踏み出し、できるところから試してみてください。

アウトプットと振り返りを続けることで、着実に力はついていきます。

あなたのPMとしての旅が実りあるものになりますように。

この記事を書いたひと
たまご
たまご

たまご|初心者PMブロガー

モノづくり系の技術職から、社内リスキリングを経てソフトウェア開発チームに異動。現在は初心者プロダクトマネージャー(PM)として、日々奮闘中です。

このブログでは「PMのたまご」としての学びや気づきをリアルに記録。PMを目指す人や、初心者PM仲間のヒントになる情報を発信しています。

▶︎ 好きなもの:読書、整理整頓、コーヒー
▶︎ 苦手なもの:抽象的な指示と放置プレイ

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